デフレ不況 日本銀行の大罪 感想

 まず一読した印象は、戦前から現在までの経済史のすっきりとした見通しが得られる本だということ。昭和恐慌でも、小泉政権でも、少しでも経済に関心があれば必ず得るものがあるだろし、単純に読み物としておもしろい。
 そして、現在の日銀に対して、常識からの批判が行われているのが印象深い。もちろん経済学的な知見からの批判も丁寧になされているので、常識的な面からも経済学的な面からも日本銀行という組織のおかしさが浮き彫りにされている。
 1章から順に読んでいくと、デフレの原因が日本銀行の政策にあること、なぜデフレが悪いのかということ、なぜ日本銀行がデフレを継続させるような政策を採り続けているのか、そしてその歴史的経緯、現在のデフレ不況から脱出するために採用すべき政策がどのようなものなのか、ということが丁寧に解説されている。
 引用したい部分は色々あるのだけど、それをやってしまったら感想文にならないし、この本は一冊まるごと読む価値がある本なのでそれはしない。
 とにかく一刻も早い景気回復を!

デフレ不況 日本銀行の大罪

デフレ不況 日本銀行の大罪