田中秀臣「イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!」

今日はタイトルのイベント: http://synodos.jp/event/index.html#lecture03 に行ってきたので、内容には諸事情によりあまり触れずに感想とかだけ書きます。
開場時間の9時頃に会場の光文社に突入。まずは配布物の多さにちょっと驚く。レアな論文やなども頂いて得した気分。
で、9時半に開始されたのだけど、会場は2人が座れるテーブルがずらっと並んでいたのです。しかし、田中先生に一番近いかぶりつきの席を確保した私の隣はずっと空席でした。そんなに近寄りがたかったかなHEHEHE。
それはそれとして、最初に荻上チキさんが挨拶。インテリっぽいなあという印象。実は年齢はほぼ一緒なんだ。まあ落ち込んだりはしない、むしろ異次元の人だと思ってるから。
そしてセミナーが開始された。予想通り、難しい話は脳みそが追いつかない。第1部はかなりの密度で、正直、あと30分くらい時間があってもよかったんじゃないかと思う。メモと資料・レジュメを追うだけで精一杯でした。でも、田中先生の福田徳三論が楽しみになる内容でした。
第2部も同じで、もう追うだけ。まあ、ここらへんは自分のメモと資料・レジュメをよく読まないと駄目だなあ。なにしろグラフや数式の読解力とか皆無。
第3部は個人的には一番面白かったというか、なるほどと思うことが多かったかな。「経済政策を歴史に学ぶ」とはまた違った切り口で日本の経済思想史を100年に渡って語るという、ものすごいものでした。大熊信行の社会的必要から国家的必要の話が特に興味深くて、はだか祭りでの田中先生の意見がよくわかったような気がした。
河上肇や難波田春夫、笠信太郎の話も現在につながる形ですごく面白かったですね。
第4部は本格的にオフレコ、余談全開で、かなり笑いました。原田泰さんや高橋洋一さん、若田部先生や野口旭先生とのエピソードはあまりにもオフレコすぎた。
それ以外にも田中先生の私的なことなんかが色々聞けてすごく得した気分になりました。自伝も出版されるということで、かなり楽しみ。
最後の質疑応答では、質問しようかと思ったんですが、ぐずぐずしてる間に終わってしまいました。面白い質問が思いつかなかったのもあるなあ。松尾先生の評を聞けばよかったかなあ、それとも現日銀総裁エコノミストしての評価とか。
最後は宮崎哲弥さんの質問とかもあって豪華な幕切れでした。でも、あっぷあっぷしてる製造業に近いところに一応身を置いてる人間としては、筋肉経済学の浸透うんぬんはちょっとよくわからなかったですね。まあ、馬鹿の戯言ですけど。
全体的に、田中先生のサービス精神あふれる、実に充実したセミナーでした。


最後に、このセミナーは参加しようかかなり悩んだんですが(なにしろ料金が高い)、終わってみると、参加してよかったです。大学に行ってない人間なので、こういうの初体験でしたし。
とはいっても、丸1日というと、やるほうも聞くほうも大変なので、なんか寄席みたいに色々な学者の方(経済学者に限らず)が出てきてしゃべくる定席のようなものがあったりすると楽しいんじゃないかなあ、と妄想したりもしました。